<<ほぼ日替わりコラム>>

もう二度とない!?奇跡のネタ番組
芸人情報ツウ会社員 佐藤
もう今年も終わりだが、いやはや、すごいものを見せてもらった。圧巻だった…。何がって!? お笑いファンなら分かるはずだ。そう、フジテレビ系のお笑い特番「THE MANZAI」である。この番組、これまでも毎年恒例の特番ではあったのだが、今までは「M-1」と同じ、漫才日本一を決めるコンテスト形式の大会、いわゆる賞レースだったのが、今年大幅に変更されて、「Cygames THE MANZAI 2015 プレミアマスターズ」という名の、純粋なネタ見せ漫才番組となったのだ。そして、何がすごいって、その出場者がとにかくすごい! パンクブーブーにおぎやはぎ、サンドウィッチマン、チュートリアル、フットボールアワーなど、とにかく人気・実力を兼ね備えたコンビ20組が文字通り顔を揃えたのだ。その中には、海原やすよともこ、笑い飯など、関西ではその実力を認められているものの、関東での知名度はイマイチ!? なコンビも含まれていたから、キャスティングを担当したディレクターは拍手喝采ものだ。しかも、それだけの売れっ子達をたったひと晩とはいえ、一堂に集めたのもすごいことである。おそらくキャスティングには、司会を務めるビートたけしと、ナインティナインが深く関わったと思われるが、それにしても…である。この特番のために、局は少なくとも、半年は前から準備をしていたのではないか。いや、もしかしたら1年かもしれない…。しかし、その価値は十二分にあったと言えるだろう。
 何故なら賞レースではないからこそ、各コンビはそれぞれの持ち味を発揮し、点数を意識することなく、舞台狭しと暴れまわってくれた。例えば、キャイーンのうど鈴木は出ばやしで思いっきりこけてしまい、それを途中まで引きずって、息も絶え絶えだったが、それもまた彼の天然という持ち味が垣間見れ、大きな笑いの力となっていた。チュートリアルの徳井もあの変態っぷりを発揮していたし、笑い飯のWボケWツッコミも冴えわたっていた。彼らには分かっていたのだ。賞レースではないからこそ、客自身が自分の中で順位を決めることが。そしてその評価は、今後の彼らの人気に、大きく関わって来るであろうことが。
だから、例え今や不動の地位を築いている爆笑問題や中川家であっても、120%の力でネタを創っていたのだ。その真剣勝負は、1組も手を抜くことなく、20組全てにおいて貫き通され、だからこそ、20組全てのステージが面白く、甲乙つけがたい内容となっていた。
 司会側のナインティナイン・矢部も「スタッフが(キャスティングに)苦労したと思いますけど、全てが誰もが納得するような面白い漫才師でしたね」とかなりの手ごたえを感じていた様子。ビートたけしさえ「今回みたいなやりかたがベストだと思う。今日は全然同じネタがなかったし、あれだけの数の漫才を見て飽きなかったっていうのは大したもんだと思う」とその結果に唸った。それほど、充実した内容だったのだ。
 実は自分はこの日、用事があってでかけていたのだが、たまたま早く用事が終わり、この番組をリアルタイムで全て見ることが出来た。そして、その自分をほめてやりたいと思う。今年のこの番組はいつかきっと、伝説になるのではないだろうか…。残念ではあるが、来年も同じクオリティの内容が見られるとは、とても思えない。それぐらい、奇跡的な面白さだったのだ。
2015/12/22


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