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暴行被害告白のNGT48山口真帆、卒業を発表
代官山太郎
新潟を本拠地とするアイドルグループ・NGT48が21日に行った公演で、暴行被害を受けた山口真帆が長谷川玲奈、菅原りことともに5月18日の公演を最後に卒業することを発表した。

最初から異例ともいえる展開をたどった今回の騒動。昨年12月8日に山口真帆が自宅マンションの玄関前でグループのファンとされる男性2人から暴行被害を受けた(男性2人は翌9日逮捕、同月28日に不起訴処分)ことに端を発するが、事件が発覚したのは今年1月に入ってからと約1か月も経過してから。それも、被害者である山口が自らのSHOWROOMやツイッターを通し公に告白したことで初めて明るみになった。その際に山口は、運営側の対応への強い不満と不信感をあらわにし、また、グループ内の他のメンバーが関与している可能性も示唆していた。

ショッキングな展開にファンの枠を超えて芸能界全体に激震を走らせる大騒動となったが、渦中の山口は1月10日、劇場公演に出演した際はそれら詳細についてふれず、騒動についてファンに向けて謝罪。しかし3月22日に運営側が開いた第三者委員会の調査報告書説明会の最中に自身のツイッターで「私は松村匠取締役に1月10日の謝罪を要求されました。私が謝罪を拒んだら、『山口が謝らないのであれば、同じチームのメンバーに生誕祭の手紙のように代読という形で山口の謝罪のコメントを読ませて謝らせる』と言われました。他のメンバーにそんなことさせられないから、私は謝りました」と暴露。被害者である山口本人を軽視し、とにかく事態を早急に丸くおさめようとする運営側の意図があからさまに露呈する結果を招いた。

これらの経緯を踏まえたうえでNGT48は既存の2チーム体制を見直し、今後は1チームのみに再編する方針を発表した。21日の公演は、既存2チーム(チームN3、チームG)それぞれの千秋楽公演となった。

山口はこの日、チームG公演に約3ヵ月ぶりの出演。終盤のMCで、自らしたためた手紙を読む形で「今の私がNGT48のためにできることは、卒業しかありません」と苦渋の決断に至った心情を語った。

年明けの騒動発覚以降、常に後手に回った運営の対応は最後まで功を奏することなく、山口の卒業という最悪の結末を迎えてしまった。
2019/4/22


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