<<ほぼ日替わりコラム>>

吉本興業の闇営業騒動でメディア関係者も眠れない夏
代官山太郎
今年の芸能界は大きなニュースが多い。中でもジャニーズ事務所のジャニー喜多川氏死去のニュースと、吉本興業の一連の騒動に関するニュースは、まったく別種のニュースとはいえ、いずれも芸能界で確たる存在感を発揮してきた大手事務所が根幹から揺らぎかねないものだ。

それに合わせてわれわれ芸能ジャーナリストやマスコミ各社の記者、ライターなどメディア関係者も、何か起きるたびに右に左に大わらわという状況だ。

今回の吉本興業と宮迫博之、田村亮らのいわゆる「闇営業」をめぐる騒動も、水面下ではメディア泣かせの状況が現出した。7月18日に、19日昼から都内で吉本仕切りの謝罪会見が開かれるとの情報が流れた。当然、各社とも芸能のエース級の記者やスタッフのスケジュールをやりくりし万全の構えを取っていた。しかし結局、会見は開かれず。いったい宮迫と田村はどうなるのか、吉本興業の対応はどうなるのか。やきもきしているうちに、20日午前11時を回ってから宮迫と田村がTwitterで突然会見の開催を発表したのだった。

ところが、吉本を通さずに2人だけのすべて手作りの会見とあってメディアへの連絡も不十分。15時から都内で行われるという情報が出るも、都内のどこで開かれるのかがわからず慌てたメディア関係者も多かった。「宮迫の会見場所、知らない?」水面下でそんな連絡が飛び交った。事実私のところにもネット系メディア3社から問い合わせがあった。

受付は14時開始ということで、運よく情報をつかめた取材陣は会見場につめかけたが、宮迫と田村がなんとか準備できたのは50人ほどしか入れない小さなイベントスペース。そこに300人以上の取材陣が殺到する事態となり、入れなかった者もいれば、入れても文字通りのギュウ詰め状態だった。

しかしそんな急ごしらえの会見も、効果は抜群。「もっと早く謝りたかった、本当のことを言いたかった。なのに会社が会見をさせてくれなかった」と泣きながらの訴えに、それまではネット民にも叩かれっぱなしだった宮迫と田村の株が上がり、攻撃の矛先は吉本興業へ移った。

そして22日には吉本側が会見を開いた。岡本社長以下、5時間半におよぶ異例の長丁場会見。吉本だけあって今度はスペースは十分な広さがあったが、あまりの長さにノートパソコンやカメラなどデジタル機器のバッテリーがピンチに。充電先や予備バッテリーを探しパニック状態になったメディア関係者も少なくなかった。

肝心の会見内容はといえば、今一つ歯切れの悪い岡本社長ら吉本側に批判が集中。この話、いつまで続くのか。当分メディア関係者は安眠できそうにないのである。

2019/7/23


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