<<ほぼ日替わりコラム>>

芸人を生かすも殺すも妻次第
芸人情報ツウ会社員 佐藤
 長年、「子どもに見せたくない番組」の1位をキープし続けている長寿番組『ロンドンハーツ』が、最近勢いを失っている。ザキヤマや狩野英孝、千原ジュニア、フットボールアワーの後藤など、お馴染みの中堅芸人が勢ぞろいしているというのに。彼らの絡みと、そして企画そのものがかなりマンネリ化しているのだ。しかも頼みの綱であるところのアツシは、結婚後ツッコミが明らかに弱くなっている…。これも、「なんでも言うことをきいてくれるから、自分がダメになる」と一度は別れたという妻カナの影響か。連絡なしで朝帰りをしても、起きてずっと待っているという献身ぶりには頭が下がるが、幸せすぎる環境は、芸人には逆効果なのかもしれない。

 反対に恐妻家芸人として真っ先に名前があがる『雨上がり決死隊』の宮迫。朝でかける時にソファで寝転んでいた妻が、夜帰宅してもまだ同じポーズで寝ていた…という逸話があるくらいだ。彼らの冠番組『雨上がり食楽部』でも、よく宮迫は家で料理をしたり、お弁当を作っているエピソードを披露している。それがネタになるのはもちろんだが、いつまでもハングリー精神を感じられるあの前のめりな姿勢の秘密は、そのあたりにあるのかもしれない。

 恐妻家と言えば、FUJIWARAのフジモンと優樹菜の夫婦もそうだ。筋金入りのヤンキーだった過去を持つ優樹菜に頭の上がらないフジモンは、かいがいしく家事や子育てを手伝っているという。だからこそフジモンは今でも、あのキレのあるガヤをやり続けていられるのかもしれない。

 逆のパターンを言えば分かりやすいかもしれない。例えば、『レイザーラモン』のRG。彼はあのコヤブと一緒にエロラップをシャウトする音楽グループ『ビッグポルノ』の屋台骨とも言える存在だったが、「将来子どもがいじめられないように」とグループの脱退をコヤブに申し出た。そしてそのために『ビッグポルノ』が解散に至ったばかりか、コヤブが「同グループに大舞台を用意したい」と執念で続けていた人気フェス『コヤブソニック』まで今年の9月で終焉を迎えてしまったのだ。

『コヤブソニック』を惜しむ声はお笑いファンのみならず、ミュージシャン、音楽ファンにも多く、私ももちろんその一人だ。RGの家庭人としての幸せはもちろん大切だが、『コヤブソニック』そして『ビッグポルノ』で生き生きと放送禁止用語を叫ぶRGの姿を、再度見られる日を願ってやまない。
2014/11/25


芸人情報ツウ会社員 佐藤のコラム一覧へ
コラムニスト一覧へ
日替りコラムTOPへ

芸能!裏チャンネルTOPへ

(c)StockTech.Inc
(c)Time Inc.