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たかじんの新旧プロダクションが繰り広げる骨肉の争い
芸能探偵S
作家・百田尚樹が11月に発表した、故・やしきたかじんの闘病記録と妻・さくらの感動と愛の物語をつづった『殉愛』。発売当初こそメディアを通じて大々的なプロモーションを展開し、「泣ける話!」と話題を呼んだ。しかしながら、すぐにたかじん氏の長女に対して一切の取材をしないまま、さくら氏側の主張をそのまま表現し名誉棄損やプライバシー侵害をされたとして、たかじん氏の長女が出版元の幻冬舎に出版差し止めと1100万円の損害賠償などを求める訴えが起こされた。それに伴い、百田氏が「今まで言わなかったこと、本には敢えて書かなかったいろんな証拠を、すべて法廷に提出する」とツイートするなど、強気の発言を繰り返しており、これから始まる裁判の行方に注目が集まっている。
元々、たかじん氏が所属していたのは、『P.I.S(パブリック・インフォメーション・スタイル)』という、1982年に自信が当時のマネージャーであった野田幸嗣とともに設立した芸能プロダクションだ。たかじん氏が『P.I.S』唯一の所属タレントであり、代表を務めた一人娘の長女と野田氏で運営していた。
ところが、たかじんの死去を受けて、弁護士を通じて会社の実印や契約書類などを持ちだし、2014年3月に『P.I.S』とは無関係のプロダクション『Office TAKAJIN』を設立。テレビ局に話をつけて入金先を変更したのだ。現在、“たかじん"の名を冠にする看板料の年間約1億5千万円ものお金が、すべて『Office TAKAJIN』に振り込まれているそうだ。ここは「たかじんのそこまで言って委員会」などを手掛けるテレビ制作会社がスタッフを務めているのがポイント。さくら氏と共に、大きなたかじんの利権を手にする形となっている。
さくら氏と制作会社にとってはWin-Winの関係だが、長女にとっては、遺産を全く受け取れないという悲惨な結果となった。一部報道では、生前たかじん氏はマネージャーに、『俺が死んだら冠番組は全部終わらせてほしい。事務所は好きなようにしろ』と言い、遺産配分に触れたエンディングノートの存在も明かし、長女についても金を渡すと明言していたとある。
このさくら氏率いる『Office TAKAJIN』と、長女率いる『P.I.S』の戦いに、ますます目が離せない。まずは百田氏の裁判を皮切りに、骨肉の争いが繰り広げられるであろう。死んでもなおメディアを騒がせるたかじん氏、まったく惜しい人をなくしてしまったものだ。
2015/1/13


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