<<ほぼ日替わりコラム>>

博多華丸・ 大吉に、北野武からシード権発動!?
芸人情報ツウ会社員 佐藤
去年の12月14日、あの『M-1グランプリ』の後釜お笑い番組とも目される『THE MANZAI 2014』で、過去最多の1870組ものエントリーをものともせず、博多華丸・ 大吉が優勝した。彼らと言えば1990年に結成され、芸歴24年目を誇る大ベテランだ。所属する吉本興業では、偶然にも、番組でMCを務めたナインティナインと同期と言えば、その芸歴の長さが伝わるだろうか。ちなみにナインティナインの岡村隆史は『THE MANZAI 2014』の収録の後、「今夜だけはおごらせてくれ」と、大吉に朝方まで祝杯を振舞ったという。人見知りだが打ち解けた相手には暖かい、岡村の人柄が伝わるエピソードだ。
さて、小手先の技や流行に流されることなく、どちらかと言えば正統派な漫才を続ける彼らだが、実は過去、2011年に『THE MANZAI 』で決勝に出場した際には審査員の評価が低く、あっさりと敗退していた。それ以来『THE MANZAI 』からは遠ざかっていたのだが、実はその際、「一体何を見ているんだ!」と、二人を評価しなかったことに対して、同番組で最高顧問を務める北野武が激怒していたというのだ。そして今回、「あんちゃんたち面白いね。俺は二人の漫才好きだから出てよ」と背中を押される形で、再出場をすることになったのだという。…そして見事、二人はコンビとしては初となる、優勝の栄冠を手にすることとあいなった。(大吉はピンで一度、R-1グランプリで優勝したことがある)
彼らの漫才は確かに、目新しさや切れ味の鋭さはないが、変わりに、どんな世代にも伝わる分かりやすいテンポや口調、丁寧さ、そして時代に流されない面白さがある…と私も思う。だからこそ、今回の結果は当然と言えば当然かもしれないが。しかし一方でチラホラ聞こえる「後進に道を譲るべきではなかったか」という声も無視しがたいものがあると思う。特に今回のように北野武のバックアップがある形では、いわゆるシード権が発動されているも同じだ。だからこそ、同じように芸人を志していた者としては、願わくば今後二人が活躍する中で、レギュラー番組に若手をドンドン起用するなどの形で、ぜひ後進の育成にも努めていってもらいたいと思う。
なぜなら、お笑い業界は今や全体に陰りが出始めており、このような賞レースで注目を集めでもしない限り、若手がブレイクすることは非常に難しいからだ。いや、一時注目を集めたところで、それを長続きさせることは本当に奇跡に近い。まあ、福岡吉本芸人の間で兄貴"と慕われており、共演者から「腰が低い」「性格がいい」と絶賛されるという二人のことだ。私がいうまでもなく、その期待にきっと応えてくれるに違いないが。
2015/1/19


芸人情報ツウ会社員 佐藤のコラム一覧へ
コラムニスト一覧へ
日替りコラムTOPへ

芸能!裏チャンネルTOPへ

(c)StockTech.Inc
(c)Time Inc.