<<ほぼ日替わりコラム>>

事務所もびっくりのキャスティング
かけ出し芸能記者マチ子
フジテレビ、日本テレビ、テレビ朝日、テレビ東京の4局のなかで、かつては視聴率4位が定位置であり揶揄される立場だったテレ東だが、1月1週の週間平均視聴率で、なんとゴールデンとプライムの時間帯でフジテレビを追い抜くなど、気が付けばイケイケドンドンの勢いだ。
選挙時でもアニメ放映をしてアニメファンの心をがっちりつかんだ独自のスタイルと、お笑いマニアの心をくすぐるマニアックなお笑い番組、そしてビジネスマンの視聴者もしっかり確保する「ガイアの夜明け」や「ワールドビジネスサテライト」などが代表する硬派な経済番組、そして、ルイルイこと太川陽介と蛭子能収というテレ東らしい絶妙のキャスティングで人気番組となった「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」などをはじめとする旅番組は、シニア層を中心に幅広く支持を集めている。
 加えて注目すべきは深夜枠のドラマだ。この枠ではかつて、男性ファッションをテーマにした滝藤賢一主演の「俺のダンディズム」、“夜食テロ”と話題になった松重豊主演の「孤独のグルメ」シリーズなど、あえて注目の若手俳優ではなく、ドラマの脇役や舞台を中心に活躍してきたような俳優をあえて主役に抜擢。中年男性を主人公にしたドラマを次々打ち出している。
今回、1月クールの深夜ドラマ「太鼓持ちの達人〜正しい××のほめ方〜」で起用されたのは、52歳の手塚とおる。誰しもが「誰だっけ?」と疑問に思うのは至極当然のことだが、「半沢直樹」や「ルーズヴェルト・ゲーム」などのヒットドラマで存在感を発揮していたから、「あ〜、見たことある」と思う人も多いことだろう。彼の所属事務所である「トライストーン」には、小栗旬や綾野剛、田中圭、木村文乃など、今やどのテレビ局も起用したいと願う俳優が所属するのにもかかわらず、あえての手塚とおるという選択に、「他局ではできないことをやる」「攻める番組作り」という姿勢がうかがえる。このぶれない姿勢、らしさを失わず、アイデアやセンスを活かせる番組作りは、制作側にとっては理想的ではないだろうか。
ちなみに、この手塚とおるが演じるのは“スタローン大佐”。太鼓持ちの達人であり、口下手な迷える人々に絶妙なほめワードを授けるという斬新な設定にも笑える。今後もこの枠に誰が抜擢されるか注目したいものだ。
2015/2/11


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