<<ほぼ日替わりコラム>>

お笑い界のゴッドマザー逝く
芸人情報ツウ会社員 佐藤
毎日のように昭和のスターの訃報が届く昨今だが、お笑い界でも、「ゴッドマザー」的存在であったビッグスターがこのほど亡くなってしまった。そう、お笑いコンビ「今いくよ・くるよ」のいくよである。死因は胃がん。67歳の若さだった。
「今いくよ・くるよ」の二人は、高校のソフトボール部で出会い、コンビを組んではや40年以上のベテランコンビ。長年コンビを組んでいると、とかく関係が険悪になりがちな芸能界において、女性同士ながらも「オシドリコンビ」と揶揄されるほど仲が良かった。インタビューは二人一緒でないと受けない、という姿勢を貫いていたというエピソードからも、二人の固い絆がうかがえる。
個人的なハナシになるが、実は以前、私が新大阪駅近くのマンションに住んでいた際、隣のマンションに二人が一緒に住んでいるという噂があった。私が住んでいる間には、残念ながら本人たちに遭遇することはなかったのだが、行きつけの飲み屋やファミリーレストランで目撃話を聞いたので、おそらくかなり確かな情報だろう。二人で腕を組んで仲睦まじく食事に行ったり、買い物に出かけたりしていたそうで、誰に聞いてもTVのまんま、いやTVより優しく、感じのいい人達だったという。そんな人柄ゆえに、いくよが病に倒れた際、あの福山雅治から花が届くほど、芸能界でも広く愛されていたのだろう。
また、二人は面倒見のいいことでもよく知られている。古くはブレイク前の中川家やレギュラーが、ゴハンを食べさせてもらったり、ラジオ番組に呼んでもらったりとずいぶんかわいがってもらっていたようだ。最近は、「ミサイルマン」の西代に「おにくちゃん」というニックネームをつけて、二人がアレコレと食べさせているのがさまざまな番組でネタになっていた。本当に二人のあたたかな人柄が伝わってくるエピソードは後を絶たず、早すぎるいくよの死は、返す返すも残念でならない。
葬儀にはもちろん、彼らのようにかわいがっていた後輩をはじめ、芸人仲間の間寛平に宮川大助花子、シルクなど沢山の仲間たちが参列したという。そして棺には、がん治療のためにずっと我慢していたというお酒やビールが入れられたのだとか。さらに彼女の必須アイテムだったという「つけまつげ」も入れられたというが…。私が男性だからかもしれないが、それにはちょっと「どやさ!」と突っ込みたくなる気もする…笑。
しかしまああの世でもぜひ、あのくるんくるんのまつ毛で、「くるよちゃん、なんでワンピースの袖から足が出てるん!?」と、キレのあるボケを繰り出して欲しいものだ。いくよ亡き後のくるよも心配だが、そんな時こそぜひ、これまで可愛がってきた後輩たちが支えてあげてほしい。舞台の上に、あの「どやさ!」が響くことが、いくよにとっても一番の供養に違いないのだから。
2015/6/3


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