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ドラマ勝ち組はオールアップ取材会で華々しく さて次クールは?
代官山太郎
今クールのドラマは粒ぞろいの印象があるが、先日、TBSテレビ『集団左遷!!』の最終回のロケ現場に行ってきた。

無事に収録が終わると、主演の福山雅治と尾美としのりにスタッフから花束贈呈があり、蒲田支店の面々やスタッフらと記念撮影で大団円。取材陣のカメラの前で福山が感無量といった表情でコメントをのべていた。取材陣には待機中の水のペットボトルやお菓子のお土産も振る舞われていた。

どの出演者もさわやかな笑顔。スタッフも、監督からADまでみんな笑顔。現場が明るくて元気で、重苦しさのかけらもない。エネルギーに満ちている。「平成最後の日曜劇場」であるとともに「令和最初の日曜劇場」でもある『集団左遷!!』は、見事に2つの時代をリレーさせたと言えよう。

その華やかでノリノリな雰囲気も、『集団左遷!!』が好評だった事からくるものだ。低視聴率で打ち切り寸前などとささやかれる現場では、こうしたオールアップ取材自体が設けられない。もう最終回を残すのみなのに「今更メディアを入れて取材してもらっても」というわけだ。余計な手間と経費がかかるだけで何のメリットもない。

しかし全般的に好評だったドラマの場合はオールアップ取材をすることで最終回に視聴者の目を今一度ひきつけると共に、パート2続編への期待感をつなげることができる。今クールで言えば『ストロベリーナイト・サーガ』のオールアップ取材もそうだ。二階堂ふみと江口洋介の笑顔満面の2ショットが各メディアに掲載されたのをご覧になった方も多いだろう。最初こそ竹内結子版の旧作と比べられ、それこそネットには酷評ばかりが目立ったサーガだったが、回が進むにつれて二階堂版も支持を得てきた。二階堂らキャストの実力だろう。

好評だったドラマはテレビ局にとって金の成る木だ。番組企画を考案する際に「確実に人気が取れる」安全パイになる。安全パイは多く持っているに越したことはない。テレビ朝日が「相棒」や「ドクターX 大門未知子」でどれだけ上向き加減になったことか考えればわかる。

さて7月スタートの次クールのドラマはどうなる事か。岡田惠和氏の脚本で、山田涼介が主演する人間となったセミとアラサー女子のラブストーリー『セミオトコ』なんてのも面白そうだし、石原さとみ演じる風変わりなフレンチレストランのオーナーと、個性的な従業員たちとの間で繰り広げられるコメディー『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』なんかも楽しそうだ。最終回付近で華々しくオールアップ取材会を行う勝ち組ドラマになれるか? 注目だ。
2019/6/20


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